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雪しのぐ庵のつまをさし添へて
跡とめて来ん人を留めん

歌の意味
雪をしのぐ庵の軒端をさし添えて広げ、雪の上の足跡をたどって訪ねて来る人を、引きとどめよう。
鑑賞
百首 1491

詞書は前の歌に続き「雪十首」
 雪十首の九首目である。雪をしのぐための庵の軒端をさし添えて、雪の上の足跡をたどって訪ねて来る人がいたら、その人を引きとどめて泊めよう、と詠む。
 訪れる人もない雪の山里で、もし誰かが来てくれたなら歓待しようという、人恋しい心が表れている。第千四百八十五首の、雪を分けて来る人などいないという嘆きを受け、ここでは来る人を迎える用意を詠んでいる。

 初句「雪しのぐ」は、雪を防ぐ、雪に耐える、の意である。
 二句「庵のつまを」の「つま」は軒端の意で、庵の軒端を、の意である。
 三句「さし添へて」は、さし加えて広げて、の意である。
 四句「跡とめて来ん」の「跡とめて」は、足跡をたどって、の意、「ん」は推量の連体形で、訪ねて来るであろう、の意である。
 結句「人を留めん」の「ん」は意志で、その人を引きとどめよう、の意である。

しのぐ:防ぐ、耐える
いほり:草木で造った粗末な住まい
つま:軒端
作者
西行
出典
山家集
前の歌
晴れやらで二村山に立つ雲は 比良の吹雪の名残なりけり
次の歌
悔しくも雪の深山へ分け入らで 麓にのみも年を積みける