悔しくも雪の深山へ分け入らで
麓にのみも年を積みける
- 歌の意味
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悔しいことに、雪の深い山の奥へと分け入ることもしないで、麓でばかり年を重ねてしまったことだ。
- 鑑賞
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百首 1492
詞書は前の歌に続き「雪十首」
雪十首の結びの一首である。雪の深い奥山へ分け入ることもしないまま、麓でばかり年を重ねてしまったのが悔しい、と詠む。
雪深い奥山に入ることは、より徹底した修行や隠遁を象徴するものと見られ、そこに至らないまま年老いていく身を悔やむ心が詠まれている。「年を積む」は雪の「積む」と縁のある語で、雪十首を自らの生涯への思いで閉じている。
初句「悔しくも」は、悔しいことに、の意である。
二句「雪の深山へ」の「深山」は奥深い山の意で、雪の深い奥山へ、の意である。
三句「分け入らで」の「で」は打消の接続助詞で、分け入らないで、の意である。
四句「麓にのみも」は、麓でばかり、の意である。
結句「年を積みける」の「ける」は詠嘆の連体形による連体止めで、年を重ねてしまったことだ、の意を表す。「積む」は雪の縁語である。
みやま:奥深い山
わけいる:押し分けて入る
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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雪しのぐ庵のつまをさし添へて 跡とめて来ん人を留めん
- 次の歌
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古き妹が園に植ゑたる唐なづな 誰なづさへと生ほし立つらん