さまざまのなげきを身には積み置きて
いつしめるべきおもひなるらん
- 歌の意味
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さまざまの嘆きを、投げ木を積むように身に積み重ねておいて、いつになったら鎮まる恋の思いの火なのだろうか。
- 鑑賞
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百首 1495
詞書は前の歌に続き「恋十首」
恋十首の三首目である。さまざまな嘆きを身に積み重ね、それが薪となって燃える恋の思いの火は、いったいいつ湿って消えるのだろうか、と詠む。
「嘆き」に「投げ木」、「思ひ」に「火」を掛け、積み重なる嘆きが薪となって恋の火を燃やし続けるという、和歌の伝統的な技巧を用いた一首である。消えることのない恋の苦しみが、言葉の連なりによって表されている。
初句「さまざまの」は、いろいろな、の意である。
二句「なげきを身には」の「なげき」は、「嘆き」と、薪を意味する「投げ木」とを掛けた掛詞である。
三句「積み置きて」は、積み重ねておいて、の意で、「投げ木」の縁語である。
四句「いつしめるべき」の「しめる」は、湿って火が消える、鎮まる意で、いつ鎮まるはずの、の意である。
結句「おもひなるらん」の「おもひ」は、「思ひ」と「火」とを掛けた掛詞で、「らん」は現在推量を表す。
なげき:嘆きの意と、薪の意の投げ木を掛ける
おもひ:恋の思いの意と、火の意を掛ける
しめる:湿って火が消える、鎮まる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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紅のよそなる色は知られねば 筆にこそまづ染めはじめつれ
- 次の歌
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君をいかで細かに結へる繁目結ひ たちも離れず並びつつ見ん