思ひ出でよ三津の浜まつよそだつと
志賀の浦波立たん袂を
- 歌の意味
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思い出してくれ。三津の浜松のように待ち続け、あなたがよそよそしくなったと、志賀の浦波が立つように涙の波の立つ私の袂を。
- 鑑賞
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百首 1498
詞書は前の歌に続き「恋十首」
恋十首の六首目である。三津の浜の松のように待ち続ける私の、あなたがよそよそしくなったと嘆いて、志賀の浦波のように涙の波立つ袂を思い出してほしい、と詠む。
三津と志賀はともに近江国の琵琶湖畔の地名で、近江の湖の景によって、待つ恋の嘆きを詠んだ一首である。「松」に「待つ」を掛け、浦波の「立つ」を涙の波の立つ袂へと重ねている。
初句「思ひ出でよ」は、思い出してくれ、の意で、命令形による呼びかけであり、字余りとなっている。
二句「三津の浜まつ」の「三津」は近江国の琵琶湖畔の地名で、「まつ」は「松」と「待つ」とを掛けた掛詞である。
三句「よそだつと」は、よそよそしくなると、の意である。
四句「志賀の浦波」は、近江国の志賀の浦に立つ波で、結句の涙の波へと重ねられている。
結句「立たん袂を」の「ん」は推量の連体形で、涙の波が立つであろう袂を、の意であり、倒置となっている。
まつ:浜の松の意と、待つ意を掛ける
よそだつ:よそよそしくなる
たもと:袖
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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恋すとも操に人に言はればや 身に従はぬ心やはある
- 次の歌
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疎くなる人は心の変はるとも 我とは人に心置かれじ