川風に千鳥鳴きけん冬の夜は
我が思ひにてありけるものを
- 歌の意味
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川風の中で千鳥が鳴いたという冬の夜は、実は私の恋の思いそのものであったのに。
- 鑑賞
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百首 1502
詞書は前の歌に続き「恋十首」
恋十首の結びの一首である。川風に千鳥が鳴いたと古歌に詠まれた冬の夜のつらさは、実は今の自分の恋の思いそのものであったのだ、と詠む。
紀貫之の「思ひかね妹がり行けば冬の夜の川風寒み千鳥鳴くなり」(拾遺集)を踏まえた本歌取りと見られる。恋人のもとへ通う冬の夜の寒さを詠んだ古歌の情景を、自らの恋の思いとして捉え直し、恋十首を閉じている。
初句「川風に」は、川を吹き渡る風の中で、の意で、本歌の「川風寒み」を踏まえている。
二句「千鳥鳴きけん」の「けん」は過去の伝聞で、千鳥が鳴いたという、の意である。
三句「冬の夜は」は、本歌の「冬の夜の」を受けている。
四句「我が思ひにて」は、私の恋の思いであって、の意である。
結句「ありけるものを」の「ものを」は逆接の詠嘆で、そうであったのになあ、の意を表す。
ちどり:水辺に群れる鳥で、冬の夜に鳴く声が詠まれる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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我はただ返さでを着ん小夜衣 着て寝しことを思ひ出でつつ
- 次の歌
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いざさらば盛り思ふもほどもあらじ 藐姑射が峰の花にむつれじ