ひとしまんと思ひも見えぬ世にあれば
末にさこそは大幣の空
- 歌の意味
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人並みであろうとする思いさえ見えない世の中であるので、行く末にはさぞかし、大幣のように頼みがたい空模様となるのだろう。
- 鑑賞
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百首 1510
詞書は前の歌に続き「述懐十首」
述懐十首の八首目である。人並みであろうとする心さえ見えない世の中なので、行く末もさぞ頼りないものとなるだろう、と世を憂える。
初句の「ひとしまん」と結句の「大幣の空」は語義が定めがたく、一首の意は明確でないが、ここでは人並みであろうとする思いも見えない世であるので、行く末は大幣のように頼みがたい、と解する。大幣は祓えに用いる幣で、多くの人に引かれることから、頼みがたいもののたとえとされた。世の行く末を案じる述懐の歌と見られる。
初句「ひとしまんと」は語義を定めがたいが、人並みであろうとして、の意に解する。字余りとなっている。
二句「思ひも見えぬ」は、その思いさえ見えない、の意である。
三句「世にあれば」は、世の中であるので、の意である。
四句「末にさこそは」の「さこそ」は、さぞかし、の意で、行く末にはさぞかし、の意である。
結句「大幣の空」の「大幣」は祓えに用いる大きな幣で、頼みがたいもののたとえと解される。体言止めとなっている。
おほぬさ:祓えに用いる大きな幣で、多くの人に引かれることから頼みがたいもののたとえ
すゑ:行く末
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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塵つかでゆがめる道を直くなして 行く行く人を世に仕へばや
- 次の歌
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深き山は苔むす岩を畳み上げて 古りにし方を納めたるかな