ささがにの糸に貫く露の玉を
懸けて飾れる世にこそありけれ
- 歌の意味
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蜘蛛の糸に貫き通した露の玉を、掛けて飾っているような、はかない世であることだ。
- 鑑賞
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百首 1514
詞書は前の歌に続き「無常十首」
無常十首の二首目である。この世は、蜘蛛の糸に露の玉を貫いて掛け飾ったような、もろくはかないものであったのだ、と詠む。
蜘蛛の糸も露も、すぐに消えてしまうはかないものの代表であり、その二つを重ねて世の無常をたとえている。美しく飾られて見えるものほどもろいという思いが込められている。巻末の第千五百五十二首も「ささがにの」で始まり、無常の比喩を百首の結びで再び用いている。
初句「ささがにの」は、蜘蛛を意味し、「糸」「いと」などにかかる枕詞である。巻末の第千五百五十二首と同じ初句である。
二句「糸に貫く」は、蜘蛛の糸に貫き通した、の意である。
三句「露の玉を」は、玉のような露を、の意で、字余りとなっている。
四句「懸けて飾れる」は、掛けて飾っている、の意である。
結句「世にこそありけれ」の「こそ」は係助詞で、已然形「けれ」で結ぶ係り結びとなり、そのような世であったのだ、の意を強めている。
ささがに:蜘蛛
つらぬく:貫き通す
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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はかなしな千代思ひし昔をも 夢のうちにて過ぎにける世は
- 次の歌
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現をも現とさらに思へねば 夢をも夢と何か思はん