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灯火のかかげ力もなくなりて
とまる光を待つ我が身かな

歌の意味
灯火の芯をかき立てる力もなくなって、わずかに残る光が消えるのを待つばかりの我が身であることよ。
鑑賞
百首 1517

詞書は前の歌に続き「無常十首」
 無常十首の五首目である。灯火の芯をかき立てて明るくする力もなくなり、残る光が消えるのを待つばかりの我が身である、と詠む。
 燃え尽きようとする灯火に、老いて命の尽きるのを待つ自らの姿を重ねた一首である。灯火をかき立てる力が失われることに、老いの衰えが具体的に表されている。

 初句「灯火の」は、ともしびの、の意である。
 二句「かかげ力も」の「かかぐ」は、灯火の芯をかき立てて明るくする意で、かき立てる力も、の意である。
 三句「なくなりて」は、なくなって、の意である。
 四句「とまる光を」は、わずかに消え残る光を、の意である。
 結句「待つ我が身かな」の「かな」は詠嘆で、光が尽きるのを待つ我が身であることよ、の意を表す。

かかぐ:灯火の芯をかき立てて明るくする
とまる:あとに残る
作者
西行
出典
山家集
前の歌
さらぬことも跡形なきをわきてなど 露をあだにも言ひも置きけん
次の歌
水干たる池に潤ふ滴りを 命に頼むいろくづや誰