- 歌の意味
- 水の干上がった池にわずかに潤うしたたりを、命の頼みとしている魚とは、いったい誰のことか。
- 鑑賞
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百首 1518
詞書は前の歌に続き「無常十首」
無常十首の六首目である。水の干上がった池に落ちるわずかなしたたりを命の頼みとしている魚とは、誰のことなのか、と問いかける。
減りゆく水の中で残りわずかな命をつなぐ魚の姿を、日々命の減っていく人間のたとえとし、それは我々自身のことではないかと問いかけている。前歌の消えかかる灯火と同じく、尽きようとする命を詠んでいる。
初句「水干たる」は、水の干上がった、の意である。
二句「池に潤ふ」は、池をわずかに潤す、の意である。
三句「滴りを」は、したたり落ちるわずかな水を、の意である。
四句「命に頼む」は、命をつなぐ頼みとする、の意である。
結句「いろくづや誰」の「いろくづ」は魚の意で、その魚とは誰なのか、と問いかけて読者自身に向けている。
いろくづ:うろこ、転じて魚
ふ:干る、水がなくなる
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 灯火のかかげ力もなくなりて とまる光を待つ我が身かな
- 次の歌
- 汀近く引き寄せらるる大網に 幾瀬のものの命こもれり