うらうらと死なんずるなと思ひ解けば
心のやがてさぞと答ふる
- 歌の意味
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穏やかに安らかに死んでいくのだなと思い悟ると、心がすぐに、そうだと答えることだ。
- 鑑賞
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百首 1520
詞書は前の歌に続き「無常十首」
無常十首の八首目である。自分は穏やかに死んでいくのだろうと思い至ると、心もすぐにそのとおりだと答える、と詠む。
死を恐れずに穏やかに受け入れようとする心境を、自らの心との問答の形で詠んだ一首である。前の二首が引き寄せられていく命のはかなさを詠んだのに対し、本歌は死を静かに受け入れる安らぎを示している。
初句「うらうらと」は、のどかに、穏やかに、の意である。
二句「死なんずるなと」の「んずる」は推量の助動詞「んず」の連体形で、死んでいくのだなと、の意である。
三句「思ひ解けば」は、思い悟ると、の意で、字余りとなっている。
四句「心のやがて」の「やがて」は、すぐに、の意である。
結句「さぞと答ふる」の「ぞ」は係助詞で、「答ふる」の連体形で結ぶ係り結びとなり、そうだと答えることだ、の意を表す。
うらうら:のどかで穏やかなさま
おもひとく:思い悟る
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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汀近く引き寄せらるる大網に 幾瀬のものの命こもれり
- 次の歌
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言ひ捨てて後の行方を思ひ出でば さてさはいかに浦島の箱