言ひ捨てて後の行方を思ひ出でば
さてさはいかに浦島の箱
- 歌の意味
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言い捨てて去ったあとの行く末を思い出したならば、さて、それではどうなるというのか、浦島の箱は。
- 鑑賞
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百首 1521
詞書は前の歌に続き「無常十首」
無常十首の九首目である。浦島の子が開けるなと言い置かれた箱を開けたあとの行く末を思うと、いったいどうなってしまうのか、と詠む。
浦島の子が玉手箱を開けて一瞬にして老いたという伝説を踏まえ、時の流れの恐ろしさと人の命のはかなさを詠んだ一首と見られる。前歌の安らかな死の受容に対し、本歌は思いがけず訪れる老いと死の驚きを示している。
初句「言ひ捨てて」は、言い捨てて去って、の意である。
二句「後の行方を」は、そのあとの行く末を、の意である。
三句「思ひ出でば」の「ば」は仮定で、思い出したならば、の意であり、字余りとなっている。
四句「さてさはいかに」の「さは」は、それでは、の意で、さてそれではどうなるのか、の意である。
結句「浦島の箱」は、浦島の子が開けて老いたという伝説の玉手箱の意で、体言止めとなっている。
いひすつ:言い捨てる、言い置いて去る
ゆくへ:行く末
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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うらうらと死なんずるなと思ひ解けば 心のやがてさぞと答ふる
- 次の歌
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世の中に亡くなる人を聞くたびに 思ひは知るを愚かなる身に