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御輿長の声先立てて下ります
をとかしこまる神の宮人

歌の意味
御輿長が声を先立てて、神輿がお下りになる。「を」と応えてかしこまる神の宮人たちよ。
鑑賞
百首 1528

詞書「神祇十首、男山二首、放生会」
 男山を詠んだ二首のうちの二首目で、放生会を詠んだ一首である。御輿長の掛け声を先に立てて神輿が山を下りていくと、神に仕える宮人たちが「を」と応えてかしこまる、と詠む。
 放生会は、捕らえた生き物を放って殺生を戒める法会で、石清水八幡宮では神輿が男山を下る神事を伴って行われた。神輿を先導する声と、それに応じてかしこまる人々の姿によって、神事の厳かさが描かれている。前歌の競べ馬の勇ましさに対し、本歌は静かで厳粛な神幸を詠んでいる。

 初句「御輿長の」は、神輿をかつぐ人々の長の、の意で、字余りとなっている。
 二句「声先立てて」は、掛け声を先に立てて、の意である。
 三句「下ります」は、神輿が山をお下りになる、の意で、三句切れとなる。
 四句「をとかしこまる」の「を」は、先導の声に応える声と解され、「を」と応えてかしこまる、の意である。
 結句「神の宮人」は、神に仕える人々の意で、体言止めとなっている。

みこしをさ:神輿をかつぐ人々の長
くだります:お下りになる
かしこまる:つつしんで畏れ敬う
作者
西行
出典
山家集
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