新たなる熊野詣でのしるしをば
氷の垢離に得べきなりけり
- 歌の意味
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霊験あらたかな熊野詣でのご利益は、氷のように冷たい水で身を清める垢離によってこそ得られるものであったよ。
- 鑑賞
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百首 1530
詞書は前の歌に続き「神祇十首、熊野二首」
熊野を詠んだ二首のうちの二首目である。霊験あらたかな熊野詣でのご利益は、凍るような冷たい水での垢離によって得られるものであった、と詠む。
熊野詣では、道中で水を浴びて身を清める垢離が行われた。氷のように冷たい水での厳しい垢離によってこそ神の加護が得られるという、信仰の厳しさを詠んでいる。前歌の苦しい歩みに続き、本歌は垢離の厳しさを詠み、二首で熊野詣での苦行を描いている。
初句「新たなる」は、霊験があらたかな、の意である。
二句「熊野詣での」は、熊野三山への参詣の、の意である。
三句「しるしをば」の「しるし」は霊験、ご利益の意で、「をば」は対象を強調する。
四句「氷の垢離に」の「垢離」は、水を浴びて身を清めることで、氷のように冷たい水での垢離によって、の意である。
結句「得べきなりけり」の「なりけり」は気づきの詠嘆で、得られるはずのものであったよ、の意を表す。
あらたなり:霊験がいちじるしい
しるし:霊験、ご利益
こり:水を浴びて身を清めること
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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み熊野のむなしきことはあらじかし むしたれいたの運ぶ歩みは
- 次の歌
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初春を隈なく照らす影を見て 月にまづ知る御裳濯の岸