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御裳濯の岸の岩根に世をこめて
固め立てたる宮柱かな

歌の意味
御裳濯川の岸の岩根に、末長い世をこめて、固くしっかりと建てた宮柱であることよ。
鑑賞
百首 1532

詞書は前の歌に続き「神祇十首、御裳濯二首」
 御裳濯を詠んだ二首のうちの二首目で、神祇十首の結びの一首である。御裳濯川の岸の岩根に、末長い世の願いをこめて、しっかりと建てられた伊勢の宮柱を称える。
 岩根に固く建てられた宮柱に、永遠に続く神の宮と世の安泰を祝う心を込めた一首である。前歌と「御裳濯の岸」の語を共有し、前歌が天を照らす月を詠んだのに対し、本歌は地に据えられた宮柱を詠んで、天と地、光と柱の対をなしている。

 初句「御裳濯の」は、前歌の結句と同じく、伊勢の御裳濯川の、の意である。
 二句「岸の岩根に」の「岩根」は、地中に根を張ったような大きな岩の意で、岸の大岩に、の意である。
 三句「世をこめて」は、末長い世を込めて、の意である。
 四句「固め立てたる」は、しっかりと固めて建てた、の意である。
 結句「宮柱かな」の「宮柱」は神殿の柱の意で、「かな」は詠嘆を表す。

いはね:大地に根を張ったような大きな岩
みやばしら:神殿の柱
作者
西行
出典
山家集
前の歌
初春を隈なく照らす影を見て 月にまづ知る御裳濯の岸
次の歌
惑ひてし心を誰も忘れつつ ひかへらるなることの憂きかな