悟り広きこの法をまづ説き置きて
二つなしとは言ひ極めける
- 歌の意味
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悟りの広大なこの教えを、まず説いておいて、そのうえで、真実の道は二つとないのだと、言い極めたのだ。
- 鑑賞
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百首 1536
詞書「釈教十首、無量義経、三首」
釈教十首のうち、無量義経を詠んだ三首の一首目である。悟りの広大なこの無量義経の教えをまず説いておいて、そのうえで真実の道は二つとないと説き極めたのだ、と詠む。
無量義経は法華経の前に説かれた経で、法華経の開経とされる。法華経では、仏の教えはただ一つの道に帰するとし、二つの道はないと説かれる。本歌は、無量義経をまず説いたうえで、法華経でその究極の教えに至った釈迦の説法の順序を詠んだものと見られる。
初句「悟り広き」は、悟りの広大な、の意で、字余りとなっている。
二句「この法をまづ」の「法」は教えの意で、この無量義経の教えをまず、の意である。
三句「説き置きて」は、説いておいて、の意である。
四句「二つなしとは」は、真実の道は二つとないとは、の意で、法華経の教えを指している。
結句「言ひ極めける」の「ける」は詠嘆の連体形による連体止めで、言い極めたのだ、の意を表す。
のり:仏の教え、仏法
いひきはむ:言い尽くす、究極まで説く
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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末の世の人の心も磨くべき 玉をも塵に混ぜてけるかな
- 次の歌
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山桜つぼみ始むる花の枝に 春をばこめて霞むなりけり