花までは身に似ざるべし朽ち果てて
枝もなき木の根をな枯らしそ
- 歌の意味
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花を咲かせるところまでは、わが身には似つかわしくないだろう。せめて、朽ち果てて枝もない木の根を、枯らさないでくれ。
- 鑑賞
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百首 1539
詞書「釈教十首、千手経、三首」
釈教十首のうち、千手経を詠んだ三首の一首目である。花を咲かせるほどのことは自分には望めないだろうが、朽ち果てて枝もない木のような我が身の、せめて根だけは枯らさないでほしい、と千手観音に願う。
千手観音の慈悲にすがり、朽ち木のような老いた身にもなお命の根を保たせてほしいと願う一首である。花十首で花を愛した身が、ここでは花を咲かせることを望まず、根を保つことだけを願っており、百首の初めの花の歌と対照をなしている。
初句「花までは」は、花を咲かせるところまでは、の意である。
二句「身に似ざるべし」の「べし」は推量で、わが身には似つかわしくないだろう、の意を表し、二句切れとなる。
三句「朽ち果てて」は、すっかり朽ちてしまって、の意である。
四句「枝もなき木の」は、枝もない木の、の意で、老いた我が身のたとえである。
結句「根をな枯らしそ」の「な~そ」は禁止を表し、根を枯らさないでくれ、の意である。
くちはつ:すっかり朽ちてしまう
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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身につきて燃ゆるおもひの消えましや 涼しき風のあふがざりせば
- 次の歌
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誓ひありて願はん国へ行くべくは 西の門より悟り開かん