さまざまに掌なる誓ひをば
南無の言葉にふさねたるかな
- 歌の意味
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さまざまに、千の掌に込められた誓いを、「南無」の一言に束ねているのだなあ。
- 鑑賞
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百首 1541
詞書は前の歌に続き「釈教十首、千手経、三首」
千手経を詠んだ三首のうちの三首目である。千手観音の千の掌にさまざまに込められた救いの誓いを、「南無」という一言の中に束ねているのだ、と詠む。
千の手で衆生を救うという千手観音の多様な誓いが、ただ「南無」と唱える一言に集約されるという、信仰の簡明さを詠んだ一首である。前歌の誓いを受け、それを唱える言葉へと結びつけて、千手経の三首を閉じている。
初句「さまざまに」は、いろいろに、の意である。
二句「掌なる」は、千手観音の千の手のひらにある、の意である。
三句「誓ひをば」の「をば」は対象を強調し、その誓いを、の意である。
四句「南無の言葉に」の「南無」は、仏に帰依することを表す語で、南無と唱える言葉に、の意である。
結句「ふさねたるかな」の「ふさぬ」は束ねる意で、束ねているのだなあ、の意を表す。
たなごころ:手のひら
ふさぬ:束ねる、一つにまとめる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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誓ひありて願はん国へ行くべくは 西の門より悟り開かん
- 次の歌
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野辺の色も春の匂ひもおしなべて 心染めける悟りにぞなる