- 歌の意味
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滝の落ちる吉野の奥を流れる宮川が、昔のさまを見ていたであろうその跡を、慕い訪ねたいものだ。
- 鑑賞
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百首 1545
詞書は前の歌に続き「雑十首」
雑十首の三首目である。滝の落ちる吉野の奥を流れる宮川が見てきたであろう昔の跡を、慕い訪ねたい、と詠む。
吉野の宮川は、古く離宮が営まれた地を流れる川と見られ、その川が見てきた遠い昔をしのぶ懐古の心を詠んだ一首である。百首の巻頭の花十首で吉野の花を詠んだのに対し、雑十首では吉野の昔をしのんでおり、同じ吉野を花と歴史の二つの面から詠んでいる。
初句「滝落つる」は、滝の流れ落ちる、の意である。
二句「吉野の奥の」は、吉野の山の奥の、の意で、花十首の吉野山と響き合っている。
三句「宮川の」は、吉野の奥を流れる川の名で、宮川が、の意である。
四句「昔を見けん」の「けん」は過去推量で、昔を見ていたであろう、の意である。
結句「跡慕はばや」の「ばや」は自己の願望で、その跡を慕い訪ねたいものだ、の意を表す。
したふ:慕う、慕って後を追う
あと:昔の名残、跡
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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友になりて同じ湊を出で舟の 行方も知らず漕ぎ別れぬる
- 次の歌
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我が園の岡辺に立てる一つ松を 友と見つつも老いにけるかな