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我が園の岡辺に立てる一つ松を
友と見つつも老いにけるかな

歌の意味
わが庭の岡のほとりに立っている一本の松を、友として眺めながら、私も老いてしまったことだ。
鑑賞
百首 1546

詞書は前の歌に続き「雑十首」
 雑十首の四首目である。わが庭の岡のほとりに立つ一本の松を友として眺めているうちに、自分もすっかり老いてしまった、と詠む。
 長寿の象徴である松を友としながら、人の身は松のようには長くは保てず老いていくことを嘆いた一首である。前歌の宮川が見てきた長い昔に対し、本歌は一本の松と共に過ごした自らの歳月を詠んでいる。

 初句「我が園の」は、わが庭の、の意である。
 二句「岡辺に立てる」の「る」は存続で、岡のほとりに立っている、の意である。
 三句「一つ松を」は、一本の松を、の意で、字余りとなっている。
 四句「友と見つつも」は、友として眺めながらも、の意である。
 結句「老いにけるかな」の「にける」は完了と過去、「かな」は詠嘆で、老いてしまったことだ、の意を表す。

その:庭
をかべ:岡のほとり
作者
西行
出典
山家集
前の歌
滝落つる吉野の奥の宮川の 昔を見けん跡慕はばや
次の歌
さまざまのあはれありつる山里を 人に伝へて秋の暮れぬる