さまざまのあはれありつる山里を
人に伝へて秋の暮れぬる
- 歌の意味
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さまざまなしみじみとした趣のあった山里のことを、人に伝えて、秋が暮れてしまった。
- 鑑賞
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百首 1547
詞書は前の歌に続き「雑十首」
雑十首の五首目である。さまざまな趣のあった山里の秋の様子を人に伝えているうちに、秋も暮れてしまった、と詠む。
山里で味わった秋の情趣を人に語り伝えているうちに季節が過ぎていったという、山里暮らしの感慨を詠んだ一首である。雪十首の第千四百八十八首などで人に顧みられない山里の寂しさが詠まれたのに対し、本歌はその山里の趣を人に伝える側に立っている。
初句「さまざまの」は、いろいろな、の意である。
二句「あはれありつる」の「つる」は完了で、しみじみとした趣のあった、の意である。
三句「山里を」は、山里のことを、の意である。
四句「人に伝へて」は、人に語り伝えて、の意である。
結句「秋の暮れぬる」の「ぬる」は完了の連体形による連体止めで、秋が暮れてしまったことだ、の意を表す。
あはれ:しみじみとした趣
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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我が園の岡辺に立てる一つ松を 友と見つつも老いにけるかな
- 次の歌
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山賤の住みぬと見ゆるわたりかな 冬にあせゆく静原の里