たまさかに我が待ち得たる鶯の
初音をあやな人や聞くらむ
- 歌の意味
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やっとのことで私が待ち得た鶯の初音を、わけもなく、待ってもいなかったほかの人も聞いているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 4
待ちに待った鶯の初音をようやく聞けた喜びの一方で、自分ほど待ってもいなかった人が同じ声を聞くのは筋が通らないと、少し拗ねた思いを詠んだ歌である。初音を独り占めしたい気持ちを、軽い機知で表している。
前の歌々が霞で春を告げたのに続き、鳥の声で春をとらえる歌へと移っている。
初句「たまさかに」は、まれに、やっとのことでの意である。待ち続けた末の出会いであることを示す。
二句「我が待ち得たる」は、自分が待って手に入れたことを強調する。「たる」は完了の助動詞「たり」の連体形で、三句の「鶯」にかかる。
三句「鶯の」は、春を告げる鳥として詠まれる。
四句「初音をあやな」の「あやな」は「あやなし」の語幹で、わけもない、筋が通らないの意である。自分と他人を比べる気持ちがこもる。
結句「人や聞くらむ」は、係助詞「や」を受けて推量の助動詞「らむ」の連体形で結ぶ係り結びである。他人が聞いているのだろうと想像する形で、不満をやわらかく表している。
はつね:その年に初めて聞く鳥の鳴き声
- 作者
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道命
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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古里は春めきにけりみ吉野の 御垣が原を霞こめたり
- 次の歌
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雪消えばゑぐの若菜も摘むべきに 春さへ晴れぬ深山辺の里