子の日すと春の野ごとに尋ぬれば
松にひかるる心地こそすれ
- 歌の意味
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子の日の遊びをしようと春の野を次々に訪ね歩いていると、自分が小松を引くのではなく、松に引かれていく心地がする。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 8
子の日の小松引きのために野から野へと出かけて行く自分を、松に引き寄せられているようだと逆転させて詠んだ歌である。人が松を引くはずの行事を、松が人を引くと見た機知に、春の野遊びの楽しさがあらわれている。
前歌が人が例として引かれることを詠んだのに続き、ここでは松に引かれるという趣向で対をなしている。
初句「子の日すと」は、子の日の遊びをしようとしての意である。前歌の四句「子の日の松も」を受けて行事の歌が続く。
二句「春の野ごとに」の「ごと」は、それぞれのの意で、野を次々にめぐる様子を表す。
三句「尋ぬれば」は、已然形に「ば」が付いた確定条件で、訪ね歩いていると、の意である。
四句「松にひかるる」は、松に心を引き寄せられる意と、小松を引く行事の「引く」を掛ける掛詞である。「るる」は受身の助動詞「る」の連体形で、前歌の三句「ひかるれば」と響き合う。
結句「心地こそすれ」は、係助詞「こそ」を受けて已然形「すれ」で結ぶ係り結びである。
ひかる:松に引き寄せられる意と、子の日に小松を引く意を掛ける
たづぬ:訪ね求める
- 作者
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崇徳院
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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万代のためしに君がひかるれば 子の日の松もうらやみやせむ
- 次の歌
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吹き来れば香をなつかしみ梅の花 散らさぬほどの春風もがな