真菰草つのぐみわたる沢辺には
つながぬ駒も離れざりけり
- 歌の意味
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真菰草が一面に芽ぐんでいる沢辺では、つないでいない駒も離れないでいることだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 12
真菰の若芽が角のように一面に萌え出た沢辺に、放し飼いの馬がつながれてもいないのに離れずにいる情景を詠んだ歌である。馬がそこを離れないのは若草にひかれるためで、春の水辺の生命感がとらえられている。
前歌の「取りつなぐ人もなき」駒に対し、つながなくても離れない駒を詠み、春駒の歌が続く。
初句「真菰草」は、水辺に生えるイネ科の草で、春の芽吹きを詠む素材として用いられる。
二句「つのぐみわたる」は、角のように芽が一面に出そろう意で、「わたる」が一面にの意を添える。
三句「沢辺には」は、水辺の湿地で、馬が若草を食む場所である。
四句「つながぬ駒も」は、前歌の「取りつなぐ人もなき」を受けるように、つながれていない馬をいう。
結句「離れざりけり」は、「けり」による気づきの詠嘆で、つながなくとも離れないことに興じている。
まこもぐさ:水辺に生える草。真菰
つのぐむ:草木の芽が角のように出はじめる
- 作者
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俊恵
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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取りつなぐ人もなき野の春駒は 霞にのみやたなびかるらむ
- 次の歌
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萌え出づる草葉のみかは小笠原 駒のけしきも春めきにけり