萌え出づる草葉のみかは小笠原
駒のけしきも春めきにけり
- 歌の意味
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萌え出る草葉だけであろうか、いやそうではない。小笠原の牧では、駒の様子もすっかり春めいてきたことだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 13
小笠原の牧で、萌え出る草葉だけでなく、そこにいる馬の様子までが春らしくなったと詠んだ歌である。草と馬をともに春の景の中にとらえ、牧場の春の活気を伝えている。
作者は覚雅とされる。春駒の歌三首の結びにあたる。
初句「萌え出づる」は、草の芽が萌え出る意で、前歌の「つのぐみわたる」に続く芽吹きの表現である。
二句「草葉のみかは」の「かは」は反語で、草葉だけだろうか、いやそうではないの意を表す。ここで句切れとなる。
三句「小笠原」は、甲斐国の牧として知られた地名で、駒の産地として詠まれる歌枕である。
四句「駒のけしきも」は、馬の様子までもの意で、第十一首の「春駒」、前歌の「つながぬ駒」に続く駒の歌である。
結句「春めきにけり」は、第二首の結句、第三首の二句と同じ句である。霞の歌で用いられた語を、ここでは駒に用いて春の広がりを示している。
けしき:様子。ありさま
をがさはら:甲斐国にあった牧。駒の名所
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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真菰草つのぐみわたる沢辺には つながぬ駒も離れざりけり
- 次の歌
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佐保姫の糸染めかくる青柳を 吹きな乱りそ春の山風