- 歌の意味
- 白雲は立ちこめて隔てているけれども、紅の薄花桜は私の心に深く染みることだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 19
前歌を受けて、白雲が間を隔てていても紅の薄花桜は心に深く染みると応じた歌である。花の美しさを詠みながら、前歌の作者への思いをも重ねた贈答の歌として読める。
作者は京極前太政大臣藤原師実とされる。
初句「白雲は」は、前歌の四句「みな白雲と」を受けている。
二句「立ち隔つれど」は、雲が立ちこめて隔てているがの意で、逆接の「ど」で下へ続く。
三句「紅の」は、前歌の初句と同じ語で、贈答の言葉を重ねている。
四句「薄花桜」は、前歌の二句と同じ語である。同じ語を用いることで、前歌への応答であることを明らかにしている。
結句「心にぞ染む」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「染む」で結ぶ係り結びである。「紅」と「染む」は染色の縁語となっている。
たちへだつ:立ちこめて間をさえぎる
しむ:色が深くしみこむ。心に深く感じる
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 紅の薄花桜匂はずは みな白雲と見てや過ぎまし
- 次の歌
- 白雲はさも立たば立て紅の 今ひとしほを君し染むれば