- 歌の意味
- 山桜が、惜しむことで散らずにとどまるものであるならば、花は春のものとは限らないだろうに。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 23
人が惜しむだけで散らずにいてくれるのなら、桜は春だけの花ではなくなるだろうと、散る花を惜しむ心を理屈の形で詠んだ歌である。どれほど惜しんでも花は散るという嘆きが裏にある。
初句「山桜」は、山に咲く桜で、前の歌々に続く桜の歌である。
二句「惜しむにとまる」は、惜しむことで散らずにとどまるの意である。第四十二首の二句にも同じ表現があり、同じ発想が巻の後半で再び詠まれる。
三句「ものならば」は、仮定条件で、そうであるならばの意である。
四句「花は春とも」は、花が春だけのものとはの意である。
結句「限らざらまし」は、反実仮想の「まし」で、実際には花は春に限られ散ってしまうという現実を裏に示している。
をしむ:散るのを残念に思う
- 作者
- 藤原公実
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 白雲と見ゆるにしるしみ吉野の 吉野の山の花盛りかも
- 次の歌
- 九重に立つ白雲と見えつるは 大内山の桜なりけり