- 歌の意味
- 宮中に立つ白雲と見えていたのは、実は大内山の桜であったのだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 24
宮中にかかる白雲かと見えたものが、大内山の桜であったと気づいた歌である。白雲の見立てを宮中の景に用い、華やかな都の春を描いている。
作者は前斎院出雲とされる。
初句「九重に」は、宮中の意である。幾重にもの意も感じさせ、白雲の重なりとも響き合う。
二句「立つ白雲と」は、前の歌々に見られる、桜を白雲に見立てる表現である。
三句「見えつるは」の「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形で、そう見えていたものはの意である。
四句「大内山の」は、宮中を山にたとえた語で、仁和寺の北の山の名でもある。
結句「桜なりけり」は、正体に気づいた驚きを「けり」で表す。次歌と同じ結句を共有している。
ここのへ:宮中。皇居
おほうちやま:宮中の別名。また仁和寺の北にある山の名
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 山桜惜しむにとまるものならば 花は春とも限らざらまし
- 次の歌
- 春ごとに心をそらになすものは 雲居に見ゆる桜なりけり