- 歌の意味
- 春が来ると、花の咲いた梢に誘われて、訪れない里はなかったことだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 27
春が来るたびに花に誘われて方々の里を訪ね歩き、行かなかった里はないほどだったと詠んだ歌である。帝王の歌らしいおおらかな詠みぶりの中に、花を愛する心がのびやかに表れている。
前歌と同じく「花の梢」を詠み、白河の地を詠んだ前歌に白河院の歌を続ける配列となっている。
初句「春来れば」は、春が来るといつもの意で、恒常的な条件を表す。
二句「花の梢に」は、前歌の二句「春の梢」を受け、花の咲いた梢をいう。
三句「誘はれて」は、受身の形で、花に誘い出される自分を描く。
四句「至らぬ里の」は、訪れなかった里の意で、「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形である。
結句「なかりつるかな」は、完了の「つる」と詠嘆の「かな」で、行かない里はなかったと振り返っている。
いたる:行き着く。訪れる
- 作者
- 白河院
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 白河の春の梢を見渡せば 松こそ花の絶え間なりけれ
- 次の歌
- 池水の汀ならずは桜花 影をも波に折られましやは