- 歌の意味
- 人々が桜の花をそれぞれの手に折って帰って行くのを、春が去って行くのだと人は見ることだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 31
花見の人々が手に手に桜の枝を折って帰る様子を、まるで春そのものが去って行くようだと見た歌である。枝が持ち去られるにつれて春が失われていくという見立てに、行く春を惜しむ心がこもる。
作者は源登平とされる。
初句「桜花」は、花見の人が手にする桜の枝である。
二句「手ごとに折りて」は、人々がそれぞれの手に折っての意である。
三句「帰るをば」は、帰って行くのをの意で、「をば」が対象を強く示す。
四句「春の行くとや」は、春が去って行くとの意で、係助詞「や」が疑問を表す。
結句「人は見るらむ」は、四句の「や」を受けて推量の「らむ」の連体形で結ぶ係り結びである。
てごと:それぞれの手
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 古里に訪ふ人あらば山桜 散りなむ後を待てと答へよ
- 次の歌
- 春ごとに見る花なれど今年より 咲き始めたる心地こそすれ