- 歌の意味
- 春が来るたびに見る花であるけれど、今年から初めて咲きはじめたような心地がすることだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 32
毎年見慣れているはずの桜が、今年は初めて咲いたかのように新鮮に感じられると詠んだ歌である。花の美しさに対する感動の新しさを、率直に言い表している。
初句「春ごとに」は、毎年春が来るたびにの意で、第二十五首の初句と同じ語である。
二句「見る花なれど」は、見慣れた花であるがの意で、逆接の「ど」で転じる。
三句「今年より」は、今年からの意で、初句の「春ごとに」と対をなしている。
四句「咲き始めたる」は、咲きはじめたの意で、「たる」は完了の助動詞「たり」の連体形である。
結句「心地こそすれ」は、係助詞「こそ」を受けて已然形「すれ」で結ぶ係り結びである。第八首の結句と同じ句である。
ここち:気持ち。感じ
- 作者
- 道命
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 桜花手ごとに折りて帰るをば 春の行くとや人は見るらむ
- 次の歌
- 古里の花の匂ひやまさるらむ 静心なく帰る雁かな