桜花散り敷く庭を払はねば
消えせぬ雪となりにけるかな
- 歌の意味
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桜の花が一面に散り敷いた庭を掃かないでいたので、消えることのない雪となってしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 37
散り敷いた桜の花びらを掃かずにおいたところ、庭が消えることのない雪に覆われたようになったと詠んだ歌である。花びらを雪に見立て、本物の雪と違って消えないところに面白さを見いだしている。
作者は摂津とされる。
初句「桜花」は、ここでは散り敷いた花びらである。
二句「散り敷く庭を」は、花びらが一面に散り広がった庭で、次歌の「庭の面」へとつながる。
三句「払はねば」は、掃かないのでの意で、已然形に「ば」が付いた確定条件である。
四句「消えせぬ雪と」は、消えることのない雪との意で、花びらを雪に見立てる。第四十三首の「積もれる雪と」も同じ見立てである。
結句「なりにけるかな」は、完了の「に」と詠嘆の「けるかな」で、気づきの感動を表す。
ちりしく:一面に散り広がる
はらふ:掃いて取り除く
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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桜花風にし散らぬものならば 思ふことなき春にぞあらまし
- 次の歌
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掃く人もなき古里の庭の面は 花散りてこそ見るべかりけれ