- 歌の意味
- 一重でさえ見飽きない美しさであるのに、それにいっそう八重に重なって咲いている山吹の花よ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 45
一重の花でさえ見飽きない山吹の美しさが、八重に重なっていっそう増していると称えた歌である。一重と八重の数の対比によって、八重山吹の華やかさを強調している。
ここから山吹の歌が二首続く。
初句「一重だに」は、一重でさえの意で、「だに」が軽いものを挙げて重いものを類推させる。
二句「飽かぬ匂ひを」は、見飽きない美しい色つやの意である。
三句「いとどしく」は、いっそうはなはだしくの意である。
四句「八重重なれる」は、花びらが八重に重なっている意で、初句の「一重」と対をなす。次歌の初句「八重咲ける」へと語が受け継がれる。
結句「山吹の花」は、体言止めで、晩春の花である山吹を最後に示している。
やまぶき:晩春に黄色の花を咲かせる低木
- 作者
- 藤原長能
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 散る花にせきとめらるる山川の ふかくも春のなりにけるかな
- 次の歌
- 八重咲けるかひこそなけれ山吹の 散らば一重もあらじと思へば