榊とる夏の山路や遠からむ
ゆふかけてのみ祭る神かな
- 歌の意味
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榊を取りに行く夏の山路は遠いのだろうか。夕方になってから、木綿を掛けて祭る神であることよ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 54
四月の神祭を詠んだ歌である。神事が夕方に行われることを、榊を取りに行く山路が遠いために夕方になってしまうのだろうかと、理由を推し量る形で興じている。
「ゆふ」に「夕」と「木綿」を掛けたところに技巧の中心がある。前歌の第五十三首の賀茂祭の葵に続き、神事の歌が並べられている。
初句「榊とる」は、神前に供える榊を山から取ってくることをいう。
二句「夏の山路や」の係助詞「や」は疑問を表し、三句の「らむ」と呼応する。
三句「遠からむ」は現在推量で、神事が夕方になる理由を推し量っている。ここで句切れとなる。
四句「ゆふかけてのみ」の「ゆふ」は「夕」と「木綿」の掛詞である。「夕方にかけて」と「木綿を掛けて」の両意が重なり、「榊」と「木綿」は縁語である。
結句「祭る神かな」は、詠嘆の終助詞「かな」で結んでいる。
さかき:神事に用いる常緑樹
ゆふ:楮の繊維で作り榊などに掛ける木綿と、夕方を掛ける
- 作者
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源兼昌
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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年を経てかけしあふひは変はらねど 今日のかざしはめづらしきかな
- 次の歌
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昔にもあらぬ我が身にほととぎす 待つ心こそ変はらざりけれ