今年だに待つ初声をほととぎす
世にはふるさで我に聞かせよ
- 歌の意味
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せめて今年だけでも、私が待っている初声を、ほととぎすよ、世間の人に聞き古させずに、まず私に聞かせてくれ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 57
ほととぎすに呼びかけ、その初声を誰よりも先に自分に聞かせてほしいと願う歌である。「今年だに」には、例年は聞き逃してきたという思いがにじむ。初声を独り占めしたいという率直な願いが、帝王の作らしいおおらかさで詠まれている。
前歌の第五十六首が待つものはほととぎすだけだと詠んだのを受け、本歌はその初声を求める呼びかけへと進む。
初句「今年だに」の副助詞「だに」は、「せめて…だけでも」と最小限の願いを示す。
二句「待つ初声を」は、その年に初めて聞くほととぎすの声をいう。
三句「ほととぎす」は呼びかけで、目的語の二句と述語の結句の間に置かれている。
四句「世にはふるさで」の「ふるす」は、古くする、聞き古して新鮮さを失わせる意である。
結句「我に聞かせよ」は命令形で、ほととぎすへの直接の願いで結ぶ。
はつこゑ:その年初めての鳴き声
ふるす:古くする、聞き古して新鮮さを失わせる
- 作者
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花山院
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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ほととぎす鳴く音ならでは世の中に 待つこともなき我が身なりけり
- 次の歌
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山里のかひこそなけれほととぎす 都の人もかくや待つらむ