山里のかひこそなけれほととぎす
都の人もかくや待つらむ
- 歌の意味
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山里の峡に住む甲斐もないことだ。ほととぎすを、都の人もこのように待っているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 58
ほととぎすは山から里へ出てくる鳥なので、山里に住めば都より早く初音が聞けるはずである。それなのに都の人と同じように待ち続けるしかなく、山里に住む甲斐がないと嘆いている。
前歌の第五十七首が初声を独占したいと願ったのに対し、本歌は山里に住む利点さえ生かせない嘆きを詠む。どちらもまだ初声を聞けていない状況で、待つ歌が続いている。
初句「山里の」は、都から離れた山あいの住まいをいう。
二句「かひこそなけれ」の「かひ」は、山あいの「峡」と、効果の「甲斐」の掛詞である。係助詞「こそ」と已然形「なけれ」が係り結びをなし、ここで句切れとなる。
三句「ほととぎす」は、四句以下の「待つ」の対象である。
四句「都の人も」は、山里の自分と都の人とを対比する。
結句「かくや待つらむ」の「や」は疑問、「らむ」は現在推量で、遠い都の人の様子を思いやっている。
かひ:山あいを指す峡と、効果を指す甲斐を掛ける
やまざと:山中の里、山あいの住まい
- 作者
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道命
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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今年だに待つ初声をほととぎす 世にはふるさで我に聞かせよ
- 次の歌
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山彦の答ふる山のほととぎす 一声鳴けば二声ぞ聞く