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山彦の答ふる山のほととぎす
一声鳴けば二声ぞ聞く

歌の意味
山彦が答える山のほととぎすは、一声鳴くと、こだまと合わせて二声聞こえる。
鑑賞
巻第二 夏歌 59

 山彦が返ってくる山では、ほととぎすが一声鳴けば二声聞こえるという、平明で機知に富んだ歌である。めったに鳴かないほととぎすの声を、こだまのおかげで倍にして楽しむ喜びが詠まれている。
 前歌の第五十八首が初声を待ちわびたのに続き、本歌でようやくほととぎすの声が実際に聞かれる。待つ歌から聞く歌への転換点に置かれている。

 初句「山彦の」は、山に響くこだまを示す。
 二句「答ふる山の」は、山彦が声を返す山を限定している。
 三句「ほととぎす」は、ここで初めて実際に鳴く鳥として登場する。
 四句「一声鳴けば」は、結句の「二声」と数の対をなす。
 結句「二声ぞ聞く」の係助詞「ぞ」は強調で、連体形「聞く」で結ぶ。

やまびこ:山に反響して返ってくる声、こだま
作者
能因
出典
詞花和歌集
前の歌
山里のかひこそなけれほととぎす 都の人もかくや待つらむ
次の歌
ほととぎす暁かけて鳴く声を 待たぬ寝覚めの人や聞くらむ