待つ人は寝る夜もなきをほととぎす
鳴く音は夢の心地こそすれ
- 歌の意味
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待つ人は眠る夜もないというのに、ほととぎすの鳴く声は、まるで夢の中で聞くような心地がすることだ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 61
ほととぎすを待って眠れぬ夜を過ごしているのに、ようやく聞いたその声は、あまりにはかなく夢のように感じられたという歌である。待ちこがれた末の喜びと、それが現実とも思えない驚きが詠まれている。
前歌の第六十首の「待たぬ寝覚めの人」に対し、本歌は眠らずに「待つ人」を詠み、二首で対をなしている。
初句「待つ人は」は、前歌の「待たぬ」人と対照される。
二句「寝る夜もなきを」の接続助詞「を」は逆接で、眠らないのに夢のようだという矛盾を導く。
三句「ほととぎす」は、四句の「鳴く音」につながる。
四句「鳴く音は夢の」は、眠っていないのに「夢」を持ち出す言葉の対比が眼目である。
結句「心地こそすれ」は、係助詞「こそ」と已然形「すれ」の係り結びである。第六十三首の結句と同じ句で、本巻で響き合う。
なくね:鳴く声
ここち:気持ち、感じ
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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ほととぎす暁かけて鳴く声を 待たぬ寝覚めの人や聞くらむ
- 次の歌
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鳴きつとも誰にか言はむほととぎす 影より外に人しなければ