鳴きつとも誰にか言はむほととぎす
影より外に人しなければ
- 歌の意味
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ほととぎすが鳴いたと言っても、誰に話せばよいのか。自分の影のほかには、そばに人などいないのだから。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 62
ようやくほととぎすの声を聞いても、その喜びを分かち合う人がいない孤独を詠んだ歌である。そばにいるのは自分の影だけだという結句に、深い寂しさがこもる。
第六十首、第六十一首が誰が聞くかを詠んだのに続き、本歌は聞いたあとの、伝える相手のなさを詠む。聞くことをめぐる歌が角度を変えて並べられている。
初句「鳴きつとも」の「つ」は完了で、すでに鳴いたことを示し、「とも」は逆接の仮定である。
二句「誰にか言はむ」の係助詞「か」は反語で、誰にも言えないという意を含む。ここで句切れとなる。
三句「ほととぎす」は、一首の主題として中央に置かれている。
四句「影より外に」は、月光などで生じる自分の影だけが連れであることをいう。
結句「人しなければ」の副助詞「し」は強調で、二句の理由を後から述べる倒置となっている。
かげ:月光などで生じる自分の影
- 作者
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源俊頼
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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待つ人は寝る夜もなきをほととぎす 鳴く音は夢の心地こそすれ
- 次の歌
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昆陽の池に生ふるあやめの長き根は 引く白糸の心地こそすれ