わぎもこがこやの篠屋の五月雨に
いかで干すらむ夏引きの糸
- 歌の意味
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いとしい妻が住む昆陽の篠葺きの小屋では、この降り続く五月雨の中で、どうやって夏引きの糸を干しているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 66
五月雨の季節に、粗末な篠屋で糸を引く恋しい女性の暮らしを思いやった歌である。長雨で糸が乾かないだろうという気づかいに、遠く離れた相手へのいとおしさがにじむ。
第六十三首の「昆陽の池」と地名を共有し、同じく「糸」を詠む。前歌の第六十五首が川の音を詠んだのに対し、本歌は雨にこもる人の暮らしに目を向けている。
初句「わぎもこが」は、いとしい女性を指す呼び方である。
二句「こやの篠屋の」の「こや」は、摂津国の地名「昆陽」と「小屋」の掛詞である。「篠屋」は篠竹で葺いた粗末な家をいう。
三句「五月雨に」は、乾かない長雨の季節を示す。
四句「いかで干すらむ」の「いかで」は疑問、「らむ」は現在推量で、遠くの相手を案じている。
結句「夏引きの糸」は体言止めで、夏に繭から引いた糸をいう。
わぎもこ:私の妻、いとしい女性
こや:摂津国の地名である昆陽と、小屋を掛ける
しのや:篠竹で葺いた粗末な家
なつひき:夏に繭から糸を引くこと、その糸
- 作者
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大江匡房
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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五月雨の日をふるままに鈴鹿川 八十瀬の波ぞ声まさるなる
- 次の歌
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五月雨に難波堀江の澪標 見えぬや水のまさるなるらむ