- 歌の意味
- 薄い色、濃い色と、垣根に美しく咲き映える撫子の、その花の色に合わせて、露も置いていることだ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 71
垣根に咲く撫子が淡い色や濃い色に照り映え、その上に置いた露も花の色に応じた濃淡を見せている様子を詠んだ歌である。花と露の色の響き合いをとらえた繊細な叙景である。
次歌の第七十二首も撫子を詠み、二首が並ぶ。本歌が垣根の撫子を眺める歌であるのに対し、次歌は自ら種をまいて育てた撫子を詠む。
初句「薄く濃く」は、花の色の濃淡を対にして示す。
二句「垣穂に匂ふ」の「匂ふ」は、色が美しく照り映える意である。
三句「撫子の」は、夏の花を主題として提示する。
四句「花の色にぞ」の係助詞「ぞ」は強調で、結句の連体形「ける」と係り結びをなす。
結句「露も置きける」の「も」は、花ばかりか露までもという並列の意を表す。
かきほ:垣根
にほふ:色美しく照り映える
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 宿近く花橘は掘り植ゑじ 昔を偲ぶつまとなりけり
- 次の歌
- 種まきしわがなでしこの花盛り いく朝露のおきて見つらむ