常よりも嘆きやすらむ七夕は
逢はまし暮れをよそに眺めて
- 歌の意味
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織女はいつもの年よりも嘆いているのだろうか。本来なら逢えたはずの夕暮れを、よそごととして眺めて。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 79
本来なら彦星と逢えたはずの夕暮れを、逢えないまま遠く眺めている織女を思いやった歌である。夏の部に収められていることから、何らかの事情で七夕の逢瀬が例年どおりにならない年を想定したものとも考えられる。
夏の巻の終わり近くに七夕の歌が置かれ、巻第三の秋の歌群で詠まれる七夕へと橋渡しをしている。
初句「常よりも」は、例年との比較を示す。
二句「嘆きやすらむ」の係助詞「や」は疑問、「らむ」は現在推量の連体形で係り結びをなす。ここで句切れとなる。
三句「七夕は」は、織女星を指し、倒置によって主語が後に置かれている。
四句「逢はまし暮れを」の「まし」は反実仮想で、本来なら逢えたはずの夕暮れをいう。
結句「よそに眺めて」は、自分には関わりのないものとして、物思いにふけって眺める意である。
たなばた:織女星
ながむ:物思いにふけってぼんやり見る
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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川上に夕立すらし水屑せく 簗瀬のさ波立ち騒ぐなり
- 次の歌
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下紅葉一葉づつ散る木の下に 秋と覚ゆる蝉の声かな