虫の音もまだうちとけぬ草むらに
秋をかねても結ぶ露かな
- 歌の意味
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虫の声もまだ打ち解けて鳴き出さない草むらに、秋を先取りするように結んでいる露であることよ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 81
まだ虫も本格的に鳴き出さない晩夏の草むらに、早くも秋の景物である露が置いている様子を詠んだ歌である。虫に先んじて秋の支度をする露に、季節の移ろいの兆しを見ている。
夏の巻の巻末歌である。巻頭の第五十一首が夏衣で夏の始まりを告げたのに対し、本歌は秋の露で夏の終わりを示し、巻頭と巻末が呼応している。また次の巻第三の巻頭、第八十二首はほのかに吹く秋風を詠んでおり、秋を先取りする本歌から自然に秋の巻へと続く配列となっている。
初句「虫の音も」は、秋の代表的な景物である虫の声を示す。
二句「まだうちとけぬ」は、虫がまだ気兼ねなく鳴き出していないことをいう。
三句「草むらに」は、露の置く場所を示す。
四句「秋をかねても」の「かぬ」は、前もってする、先取りする意である。虫より先に露が秋を迎える対比が眼目である。
結句「結ぶ露かな」は、詠嘆の終助詞「かな」で結び、巻を閉じている。
うちとく:打ち解ける。ここでは虫が気兼ねなく鳴き出すこと
かぬ:前もってする、先取りする
むすぶ:露が形をなして置く
- 作者
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曾禰好忠
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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下紅葉一葉づつ散る木の下に 秋と覚ゆる蝉の声かな
- 次の歌
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山城の鳥羽田の面を見渡せば ほのかに今朝ぞ秋風は吹く