天の川帰らぬ水をたなばたは
うらやましとや今朝は見るらむ
- 歌の意味
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天の川の、流れ去って帰らない水を、織女は今朝うらやましいと思って見ているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 93
原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を祝部成仲とする。七夕の翌朝、帰らなければならない織女が、流れ去って二度と戻らない天の川の水をうらやむだろうと想像した歌である。
帰りたくないのに帰らねばならない身と、帰らない水との対比が鮮やかで、後朝の別れのつらさを巧みに表している。七夕の歌群はこの歌で結ばれる。
初句「天の川」は七夕の舞台で、本巻の第八十八首から続く天の川の歌の締めくくりとなる。
二句「帰らぬ水を」は、流れ去って戻らない川の水という意で、別れて帰る二星との対比を生む。
三句「たなばたは」は織女を主語として示す。
四句「うらやましとや」は、うらやましいと思ってかという意で、「や」は疑問を表し結句の「らむ」と呼応する。
結句「今朝は見るらむ」は、今朝は見ているのだろうかという推量で、七夕の一連の最後の一首を後朝の朝で結ぶ。
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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たなばたの待ちつるほどの苦しさも あかぬ別れといづれまされり
- 次の歌
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水清み宿れる秋の月さへや 千代まで君とすまむとすらむ