春夏は空やは変はる秋の夜の
月しもいかで照りまさるらむ
- 歌の意味
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春や夏に空が変わるわけではない。それなのに、秋の夜の月だけがどうして明るく照りまさるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 96
詞書「家に歌合し侍りけるによめる」
原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を左衛門督藤原家成とする。自邸で催した歌合で詠まれた歌である。
春夏と秋とで空が変わるわけでもないのに、秋の夜の月だけが明るいのはなぜかと問う。前歌と同じ疑問を、季節を並べることでいっそう明確にしている。
初句「春夏は」は、春や夏にはという意で、秋と対比される季節を挙げる。
二句「空やは変はる」は、空が変わるだろうか、変わりはしないという反語で、ここで二句切れとなる。
三句「秋の夜の」は、前の季節と対比して秋の夜を示す。
四句「月しもいかで」は、月にかぎってどうしてという意で、「しも」は強め、「いかで」は疑問である。
結句「照りまさるらむ」は、前歌の第九十五首と同じ結句で、二首が同じ問いを別の角度から重ねている。
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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いかなれば同じ空なる月影の 秋しもことに照りまさるらむ
- 次の歌
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秋にまた逢はむ逢はじも知らぬ身は 今宵ばかりの月をだに見む