秋にまた逢はむ逢はじも知らぬ身は
今宵ばかりの月をだに見む
- 歌の意味
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次の秋にまた巡りあえるかどうかもわからない身なので、せめて今夜の月だけでも見ておこう。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 97
詞書「月を御覧じてよませ給ひける」
三条院が月をご覧になって詠んだ歌である。三条院は眼病に苦しみ、在位も短かったことで知られる。
来年の秋にまた月を見られるかわからない身の上を思い、せめて今夜の月だけは見ておこうという切実な思いが込められている。秋の月の美しさが、命のはかなさを思う心と結びついている。
初句「秋にまた」は、来年の秋にまたという意で、時の巡りを示す。
二句「逢はむ逢はじも」は、巡りあえるか巡りあえないかもという意で、肯定と否定を並べて不確かさを表す。
三句「知らぬ身は」は、わからない我が身はという意で、自らの境遇を示す。
四句「今宵ばかりの」は、今夜かぎりのという意で、二度とないかもしれない時を強調する。
結句「月をだに見む」は、せめて月だけでも見ようという意志で、「だに」は最小限の願いを表す。
- 作者
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三条院
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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春夏は空やは変はる秋の夜の 月しもいかで照りまさるらむ
- 次の歌
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ありしにもあらずなりゆく世の中に 変はらぬものは秋の夜の月