ありしにもあらずなりゆく世の中に
変はらぬものは秋の夜の月
- 歌の意味
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昔とはすっかり違ったものになってゆく世の中で、変わらないものは秋の夜の月である。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 98
詞書「題しらず」
原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を天台座主明快とする。
移り変わってやまない世の中と、変わらずに照る秋の月とを対比し、無常の世にあって変わらないものとして月を見つめている。前歌の、来年の秋を知らない身の思いを受けるように、変わらない月の姿を示している。
初句「ありしにも」は、以前のありさまにもという意で、昔を指す。
二句「あらずなりゆく」は、そうでなくなってゆくという意で、世の移り変わりを示す。
三句「世の中に」は、無常の世の中を指す。
四句「変はらぬものは」は、変わらないものはという意で、二句の「なりゆく」と対比をなす。
結句「秋の夜の月」は体言止めで、移ろう世に対する不変のものを示す。次歌以降にも「秋の夜の月」の語が続き、本巻の第百首も同じ結句をもつ。
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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秋にまた逢はむ逢はじも知らぬ身は 今宵ばかりの月をだに見む
- 次の歌
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秋の夜の月の光のもる山は 木の下かげもさやけかりけり