秋の夜の月の光のもる山は
木の下かげもさやけかりけり
- 歌の意味
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秋の夜の月の光が漏れてくる守山では、木の下の陰までもが明るく澄んでいるのだった。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 99
詞書「関白前太政大臣の家にてよめる」
原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を藤原重基とする。関白前太政大臣すなわち藤原忠通の家で詠まれた歌である。
近江の守山という地名に、月の光が漏れるという意を掛け、木々の下の暗い陰までも明るく照らす秋の月の清らかさを詠んでいる。地名の掛詞を生かした軽妙な歌である。
初句「秋の夜の」は、前歌の第九十八首の結句と同じ語で歌い起こし、月の歌を続ける。
二句「月の光の」は、月の光がという意で、三句の「もる」の主語となる。
三句「もる山は」の「もる」は、近江の守山と、光が漏れるの掛詞である。
四句「木の下かげも」は、木の下の陰までもという意で、「も」は暗い所までもという含みをもつ。
結句「さやけかりけり」は、明るく澄んでいることだという気づきの詠嘆で結ぶ。
もるやま:近江国の守山(現在の滋賀県守山市)と、月の光が漏れる意を掛ける
したかげ:木の下の陰
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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ありしにもあらずなりゆく世の中に 変はらぬものは秋の夜の月
- 次の歌
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天つ風雲吹き払ふ高嶺にて 入るまで見つる秋の夜の月