秋の夜のつゆも曇らぬ月を見て
置きどころなきわが心かな
- 歌の意味
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秋の夜の、少しも曇りのない月を見ていると、身の置きどころもないほど心が落ち着かないことだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 103
詞書「左衛門督家成が家に歌合し侍りけるによめる」
原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を隆縁法師とする。左衛門督藤原家成の家の歌合で詠まれた歌である。
少しも曇らない月を見ていると、心がどこにも落ち着かないという。「つゆ」に露を重ね、露が置くという縁で「置きどころなき」と続けた言葉の技巧が見どころである。
初句「秋の夜の」は、前歌に続き秋の夜の月を詠むことを示す。
二句「つゆも曇らぬ」の「つゆ」は、少しもという副詞と、草葉の露の掛詞である。
三句「月を見て」は、曇りのない月を見てという意である。
四句「置きどころなき」は、心の置きどころがないという意で、二句の露と「置く」が縁語になる。
結句「わが心かな」は詠嘆の「かな」で結び、月に心を奪われた落ち着かなさを示す。
つゆ:少しもという意と、草葉に置く露を掛ける
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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引く駒に影を並べて逢坂の 関路よりこそ月は出でけれ
- 次の歌
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秋の夜の月待ちかねて思ひやる 心いくたび山を越ゆらむ