秋山の清水は汲まじ濁りなば
宿れる月の曇りもぞする
- 歌の意味
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秋の山の清水は汲まないでおこう。濁ってしまったら、水に映っている月が曇ってしまうと困るから。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 105
詞書「月浮山水といふ心をよめる」
原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を藤原忠兼とする。「月浮山水」すなわち山の水に月が浮かぶという題で詠まれた歌である。
山の清水に映る月の美しさを守るために、水を汲むのをためらう心を詠む。喉の渇きよりも月影を惜しむ風流な心がうかがえる。本巻の第九十四首と同じく、水に宿る月を詠んでいる。
初句「秋山の」は、秋の山のという意で、題の「山水」を示す。
二句「清水は汲まじ」は、清水は汲まないでおこうという打消意志で、ここで二句切れとなる。
三句「濁りなば」は、濁ってしまったならばという仮定である。
四句「宿れる月の」は、水に映っている月のという意で、本巻の第九十四首の「宿れる秋の月」と同じ表現を用いる。
結句「曇りもぞする」は、曇りもしたら困るという危惧を表し、係助詞「もぞ」を連体形「する」で結ぶ。
やどる:月の光が水面などに映る
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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秋の夜の月待ちかねて思ひやる 心いくたび山を越ゆらむ
- 次の歌
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秋の夜の月に心のあくがれて 雲居にものを思ふころかな