荻の葉に露吹き結ぶ木枯らしの
音ぞ夜寒になりまさるなる
- 歌の意味
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荻の葉に露を吹きつけて凍らせるような木枯らしの音が、夜寒とともにいっそう強まってゆくようだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 111
詞書は前の歌に続き「題しらず」
原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を藤原顕綱とする。
荻の葉に置く露を吹き結ぶ木枯らしの音が、夜の寒さとともに強まっていくという。音によって晩秋の寒さの深まりを感じ取っており、荻と秋風の歌群を、冬の近づきを思わせる木枯らしで結んでいる。
初句「荻の葉に」は、本巻の第百八首と同じ初句で、荻の歌群の最後の一首となる。
二句「露吹き結ぶ」は、露を吹きつけて固く結ぶという意で、寒さで露が凝るさまを示す。
三句「木枯らしの」は、秋の末から冬にかけて吹く強い風で、本巻の秋風の歌が木枯らしに至る。
四句「音ぞ夜寒に」は、音が夜の寒さにつれてという意で、係助詞「ぞ」が結句の連体形「なる」と呼応する。
結句「なりまさるなる」は、いっそう強まってゆくようだという意で、「なる」は音による推定の助動詞の連体形である。
こがらし:秋の末から冬にかけて吹く強く冷たい風
よさむ:秋の夜の寒さ
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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み吉野の象山かげに立てる松 いく秋風にそなれ来ぬらむ
- 次の歌
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夕霧に梢も見えず初瀬山 入相の鐘の音ばかりして